島根のこれからの家づくりはZEH注文住宅~補助金制度も解説
2024.02.26ZEH住宅は、省エネ設備と再生可能エネルギーを活用してエネルギー収支をゼロ以下にする住宅です。またZEH+はZEHより高性能で、25%以上の省エネ効果とエネルギー効率化を持ちます。政府の補助金があり、出雲市では補助金やゼロカーボンシティ事業が進行中で、エコ住宅普及を促進しています。
エネルギー収支をゼロ以下にするZEH住宅
ZEHは、省エネ設備を導入し、再生可能エネルギーを活用して生み出すエネルギー量が消費するエネルギーを上回る住宅を指します。その利点は、快適な生活環境や災害時の非常用電源確保や光熱費の削減、資産価値向上などです。しかし、高額な設備投資やメンテナンス費用や気候条件への適応が必要です。
◇ZEHとは
ZEHは、建物の断熱性能を高め、省エネ設備を導入することでエネルギー消費を最小限に抑え、太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用して生み出すエネルギー量が、消費するエネルギーを上回る、または同等以上である住宅のことを指します。
言い換えれば、ZEHは一年間に消費するエネルギー量と、生み出すエネルギー量がほぼ同じか、エネルギーを余剰生産する住宅のことを指します。
◇ZEHのメリット
まず、高い断熱性能と高気密性により、室内の温度が安定し、一年中快適な生活環境が提供されます。これは、夏場の暑さや冬場の寒さから身を守り、家族が健康で快適な生活を送ることができるという点で大きな利点です。
また、災害時には太陽光発電や蓄電池により、非常用電源が確保され、安全かつ安心して過ごすことができます。さらに、高い省エネ基準により光熱費が大幅に削減され、家計の負担が軽減されることが期待されます。
そして、ZEHの導入には環境への配慮があり、地球温暖化や環境汚染の抑制にも貢献します。
ZEHは将来的な売却時にも有利な条件を提供し、資産価値の向上につながる可能性があります。
◇ZEHの注意点
一方で、ZEHの導入にはいくつかの注意点もあります。まず、設備投資やメンテナンス費用が高額になる可能性があります。特に太陽光発電システムや蓄電池などの再生可能エネルギー設備は初期投資が必要であり、定期的なメンテナンスが必要です。
また、ZEHの設計や施工には高度な技術と知識が必要であり、信頼性の高い建築業者や設計事務所の選択が重要です。さらに、ZEHの導入には地域や気候条件に応じた適切な計画と設計が必要であり、現地の環境や規制に対応することが求められます。
普及が期待されるZEH+とは?
国が推進しているZEH(Net Zero Energy House)住宅には、さらに高性能なZEH+があります。ZEH+は、ZEHの基準を満たし、さらに高度な省エネ性能を持つ住宅です。その定義は以下のようになります:
◇ZEH基準を満たしていること
ZEH+はZEHのハイグレード版であり、最低限ZEHの省エネ基準を満たす必要があります。さらに、それにプラスアルファの性能を持ちます。
◇25%以上の省エネ効果
ZEH+では、省エネ基準の1次エネルギー消費量よりも25%以上削減することが求められます。
◇エネルギー効率化措置
外皮性能の強化、高度エネルギーマネジメント(HEMSの導入)、電気自動車の自家消費拡大措置のうち、2つ以上を採用すること。具体的には、UA値の向上、HEMSの導入、太陽光発電で充電した電気自動車を活用して自家消費を増やすことなどが挙げられます。
ZEH+は初期費用が高くなる傾向がありますが、政府の補助金を利用できます。政府は毎年、ZEHの普及を促進するための補助金を用意しており、対象のZEHによって補助金の種類や内容が異なります。
ZEH建築を検討する際は、最新の情報を確認し、希望のZEHに対応する補助金を把握することが重要です。
出雲市ではZEH住宅の補助金制度がある
島根県出雲市は、地球温暖化対策や持続可能な社会の実現に向け、積極的な取り組みを展開しています。
その一環として、「出雲市ゼロカーボンシティ加速化事業」が進められており、この取り組みの中で「出雲市ゼロカーボンシティ加速化事業ZEH補助金」という補助金制度が実施されています。
この補助金制度は、出雲市が2050年までに二酸化炭素排出を実質ゼロにする「ゼロカーボンシティ」を目指す宣言に基づき、ZEH住宅の普及を促進するために設けられました。
具体的には、出雲市内に住所を有する個人が市内にZEH住宅を新築する場合、最大825,000円の補助金が交付されます。この補助金は、環境に配慮した住宅の建設を促進し、市民の持続可能な生活を支援することを目的としています。また、一時的な単身赴任で同市内に居住する家族がいる場合にも、補助の対象となります。
対象となる住宅は、次の条件を満たす必要があります。まず、市内に建設される新築住宅であり、補助事業者が常時居住するためのものであること。また、ZEH基準を満たし、外皮性能が強化されていることが求められます。
さらに、再生可能エネルギー発電設備を導入し、売電を行う場合は余剰買取方式を採用していることが条件です。また、ZEHであることを示す証書を取得しており、当該年度の4月1日以降に市内に事業所を置く事業者と工事契約を結んでいることも必要です。
補助金の受給にあたっては、工事着手後に申請を行う必要があります。また、市税の滞納がないことや、補助金の予算範囲内での先着順受付が行われることに留意する必要があります。さらに、補助事業の実績報告も期限内に行う必要があります。
なお、出雲市以外の地域でも、省エネ住宅の普及を促進するための補助金が設けられています。例えば、「こどもエコすまい支援事業」では、子育て世帯や若者夫婦世帯がZEHレベルの高い省エネ性能を有する住宅を新築する場合に補助金が支給されます。対象となる住宅や申請条件については、国土交通省の資料を参照することができます。
ZEH(Net Zero Energy House)住宅は、省エネ設備と再生可能エネルギーを活用してエネルギー収支をゼロ以下にする住宅を指します。その利点としては、快適な生活環境の提供、災害時の非常用電源確保、光熱費の削減、環境への配慮、資産価値の向上が挙げられます。
ただし、高額な設備投資やメンテナンス費用、技術と知識の要求、地域や気候条件への適応が必要です。
普及が期待されるZEH+は、ZEH基準を満たしさらに高性能で、25%以上の省エネ効果とエネルギー効率化措置を持つ住宅です。ZEH+の導入には初期費用がかかりますが、政府の補助金を活用できます。
島根県出雲市では、ZEH住宅の建設に対して補助金が交付され、さらに出雲市ゼロカーボンシティ加速化事業が進められています。この取り組みにより、市民の持続可能な生活を支援するための補助金が提供され、地域全体でのエコ住宅普及が促進されています。