【長期計画向け】高性能住宅の特徴と島根で快適に過ごす為の家づくり
公開: 2025.05.29 更新: 2025.05.29
家を建てる際、短期的なコストだけでなく、家族構成の変化や高齢期の暮らしを見据え、長期的な計画を立てることが非常に重要です。
特に島根県のように夏は蒸し暑く、冬は冷え込みが厳しく、さらに雨量も多い地域では、断熱性能や気密性能をはじめとする「住宅の基本性能」が暮らしやすさに大きく影響します。
こうした環境に対応し、長く快適に暮らすための選択肢として注目されるのが高性能住宅です。
高性能住宅は、断熱や気密、耐震、省エネなどの性能面が優れており、光熱費の削減や健康面でのメリットも期待できます。
しかし、その性能を十分に発揮するためには、正しい知識を身につけ、信頼できる施工業者やハウスメーカーと二人三脚で計画を進めることが必要です。
また、高齢になったときの生活や家族構成の変化にも対応できるよう、可変性やバリアフリー要素を加味することで、将来にわたって暮らしやすい住まいを実現できます。
本記事では、高性能住宅が多くの人に選ばれる理由や、島根県特有の気候特性、さらに湿度対策といったポイントを一つひとつ解説していきます。 併せて、家づくりを長期視点で考える際に見落としがちな耐震性、バリアフリー、可変性への配慮、そしてエネルギーコスト削減のための設備選定についても触れます。
目次
高性能住宅とは?多くの人に選ばれる理由

高性能住宅とは
「高性能住宅」とは、住む人が快適かつ安全に、そして長期間にわたり暮らせるよう、住宅の基本性能が高い水準で確保されている家のことを指します。
具体的には、以下の性能が優れているかどうかが重要視されます。
【1】断熱性 |
家の内部と外部の熱交換を抑えることで、夏の暑さや冬の寒さを室内に伝えにくくします。冷暖房効率が高くなるため、省エネ効果も期待できます。 |
【2】気密性 |
すき間を極力減らし、計画的な換気を行いやすくします。室温を一定に保ちやすく、ホコリや花粉などの侵入も抑制します。 |
【3】耐久性 |
建物が長期間にわたって性能を維持できる設計や、構造・素材を用いることが求められます。メンテナンスがしやすいことも含まれます。 |
【4】耐震性 |
地震の多い日本においては非常に重要な要素です。耐震等級2以上であれば、公民館や小学校など避難所レベルの建物と同等の地震対策が施されていると考えられます。 |
【5】省エネ性 |
断熱・気密性能を高めたうえで、太陽光発電や高効率な空調設備などを導入することで、光熱費の削減と環境負荷の低減が可能です。 |
多くの人に選ばれる理由

高性能住宅が幅広い層に支持されるのは、単に「冬あたたかく夏涼しい」という快適性だけでなく、耐久性・耐震性・省エネ性などのメリットが長期的に見て大きな価値を生むからです。
- 健康リスクの軽減
断熱・気密性能が低い住宅では、部屋ごとの温度差が大きくなりやすく、高齢者のヒートショックリスクが高まります。高性能住宅は室温を均一に保ちやすいため、安心感があります。 - ライフサイクルコストの削減
家は建てた後も維持費(光熱費や修繕費)がかかります。断熱・気密性能が高い家は冷暖房効率が良いため、長い目で見ると総コストを抑えられ、経済的です。 - 高齢期の安心
将来を見越してバリアフリー設計や手すりの設置、段差のない動線などをあらかじめ計画に組み込むことで、高齢になっても住みやすい環境を整えられます。 - 災害に対する強さ
日本は台風や地震など自然災害が多く、住宅には高い耐久性や耐震性が求められます。高性能住宅は、基本的に耐震基準がしっかり確保されているため安心です。
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島根の気候の特徴:湿度が住居にもたらす影響

夏は暑く冬は寒い、寒暖差の大きい気候
島根県は日本海に面しており、夏は湿度が高く蒸し暑い一方、冬はシベリアからの寒気の影響を強く受け、冷え込みが激しくなります。
さらに季節風の影響で雪が降る地域も多く、寒暖差が激しいのが特徴です。
こうした気候条件下では、断熱や気密が不十分な住宅は室内環境の変動が大きく、健康リスクだけでなく、建材の劣化を早める原因にもなります。
雨量の多さと高い湿度
島根県は、年間降水量が1,600〜2,300mmと比較的多く、特に梅雨時期と冬場の降水量が高いことで知られます。
日本海側気候の特性として、冬に雪や雨が集中しやすく、湿度が常に高めです。
このような条件では、カビやダニなどの発生リスクが高まるため、床下や壁内部の通気・断熱・防湿対策が疎かになると、家の寿命を縮める原因にもなります。
高い湿度が家と住人に与える影響

- カビやダニの発生
湿度が高い状態が長く続くと、壁紙や木部にカビが生えやすくなります。カビはダニも呼び寄せ、喘息やアレルギーを引き起こす原因となるケースもあります。 - 建材の劣化
木材やフローリングが湿気を含むと、反りやきしみが発生する場合があります。また、シロアリ被害を増幅させる可能性もあり、建物の耐久性に影響を及ぼします。 - 人の健康への影響
高湿度の環境は熱中症リスクを上げたり、身体のだるさを招いたりします。冬場の冷気と相まって体力を消耗しやすく、高齢者や小さな子どもには特に注意が必要です。
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高気密の住宅は湿度が高い?実は換気がカギ

高性能住宅は「高気密・高断熱」を売りにしているものが多いため、「密閉状態で湿気がこもりやすいのでは?」と思われるかもしれません。
しかし実際には、高性能住宅では「計画換気システム」がきちんと機能していれば、室内の湿度はむしろ快適な範囲でコントロールされることが多いのです。
高性能の換気システムを備える

高気密住宅では、自然に空気が入れ替わるすき間が極めて少ない反面、機械換気によって必要量の換気を確保する設計になっています。
特に「熱交換型」の換気システムを導入すれば、外気を取り入れる際に室内の冷暖房で温め(あるいは冷やし)た空気の熱を回収し、エネルギーロスを最小限に抑えながら新鮮な空気を供給できます。
換気システムは常時稼働が望ましい

計画換気の大原則として、24時間運転が理想です。
スイッチをこまめに切ると、室内の湿度や有害物質(二酸化炭素、揮発性化学物質など)が溜まりやすくなり、快適性が損なわれるだけでなく、カビや結露のリスクも高まります。
24時間換気システムの導入によって、常に新鮮な外気と室内空気の交換が行われ、結果的に湿度が一定範囲内に保たれるのです。
外壁や窓の素材選びも重要

高気密・高断熱住宅では、窓やサッシの断熱性能が家全体の性能に大きく影響します。
たとえ壁に高性能断熱材を入れても、窓周りの断熱が弱いと結露が生じ、カビや建材劣化の原因になります。
複層ガラス(ペアガラス)や樹脂サッシなどを採用することで熱損失を抑え、さらに窓枠に結露が発生しにくい環境を作ることが可能です。
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高性能な家を見極めるためには?

断熱材の性能をチェック
断熱材は建物の基礎部分や壁、屋根などに使用され、夏の熱や冬の冷気の侵入を抑えます。
グラスウール・ロックウール(無機質繊維系) |
価格が比較的安く、耐火性にも優れていますが、施工精度が悪いと隙間ができやすい点に注意が必要です。また、商品によっては有害物質の混入リスクがあるため、品質を確かめることが大切です。 |
羊毛・セルロースファイバー(天然素材系) |
調湿効果が高く、シックハウス症候群のリスクが低いのが特徴です。一方、コストが割高になる傾向があります。 |
発泡プラスチック系(硬質ウレタンフォームなど) |
湿気に強く、断熱性能が高い反面、やや価格が高い場合があります。吹き付けタイプの場合、現場の施工技術によって性能差が出やすい点に留意しましょう。 |
断熱塗料 |
リフォーム時などに、比較的手軽に施工できる一方、他の断熱材と比べると断熱効果はやや劣ります。 |
重要なのは、どの断熱材を使うかだけでなく、適切な厚さと丁寧な施工がなされているかという点です。
隙間があると気密性能が著しく下がり、結露やカビの原因になります。
施主としては、断熱材の種類だけでなく施工の仕方や仕上がりもチェックするのが望ましいです。
気密性能の確認(C値)

高性能住宅の必須要件のひとつが「気密性能」です。C値とは、家全体のすき間面積(cm²)を延べ床面積(m²)で割ったもので、数値が小さいほど高気密を示します。
- 一般的にC値が1.0を切ると高気密住宅とされます。
- 40坪の家でC値1.0なら、はがき1枚程度のすき間しかない計算です。
注文住宅では、建築後に現場で「気密測定」を行う場合があります。
性能を謳うメーカーであれば、この測定結果を提示してくれるはずなので、C値がどの程度なのか確認しましょう。
高気密住宅を希望するなら、C値0.5前後を狙うメーカーも珍しくありません。
換気システムの性能

高気密化が進むほど、計画換気の必要性が増します。換気システムには大きく分けて3つの種類がありますが、高性能住宅では第1種換気(機械給気・機械排気)が主流です。
その中でも、熱交換型換気システムを採用すると、室内の温熱環境を損なわずに新鮮な空気を取り入れられます。
- どのタイプの換気設備を導入しているか
- 連続運転時の消費電力はどの程度か
- メンテナンスのしやすさやフィルター交換の周期はどうなっているか
これらの点を建築会社やハウスメーカーにしっかり確認しましょう。
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将来を見据えた住まいづくりのために

高性能住宅のメリットは、単に「今、快適に過ごせる」ことだけではありません。
長期的に見てランニングコストを抑えたり、高齢期になっても住み替えをしなくていいように設計を工夫したりすることができるのも大きな魅力です。
長期優良住宅と耐震性

長期優良住宅の認定を受けると、住宅ローン減税の拡充や補助金の対象になるなど、経済的メリットも期待できます。
基礎や躯体などの構造がしっかりしていることに加え、劣化対策や維持管理の容易性、さらには省エネ性能も求められます。
耐震等級2以上 |
公共施設並みの耐震性を確保できます。 |
劣化対策等級3 |
点検や補修がしやすい設計になっている場合が多いです。 |
維持保全計画 |
定期的なメンテナンス計画を立てておくことで、家を長持ちさせやすくなります。 |
バリアフリーや可変性を考える

人生100年時代といわれる現在、建築後数十年先を想定すると、誰しもがいずれは高齢期を迎えたり、家族の介護が必要になるかもしれません。
そこで有効なのが、可変性やバリアフリー要素をあらかじめ取り入れておくことです。
- 段差の解消と幅広の通路
車いすや歩行補助器を使う可能性を考慮し、廊下・玄関・室内間の段差を極力なくし、開口部も広めに設定します。 - 手すりの設置や補強下地の確保
後付けで手すりを取り付けるために、壁の中に補強材を入れておく設計が便利です。 - 可変性の高い間取り
子どもの独立や二世帯同居などライフステージが変化しても、仕切りを増減できたり、フレキシブルに使える間取りを検討すると長く暮らせます。
エネルギーコストと省エネ

高性能住宅にすることで、冷暖房の光熱費を大幅に抑えられます。
断熱や気密を高めれば、そもそも室内から熱が逃げにくくなり、エアコンの稼働時間や設定温度を抑えられるメリットがあります。
- 太陽光発電システム
初期費用はかかるものの、余剰電力売却制度(売電)を活用すれば長期的なコストメリットが期待できます。 - エコキュートやエコジョーズ
給湯器の省エネ化を図ることで、日常の光熱費を抑制します。 - 蓄電池・蓄熱設備
電力消費のピークをずらしたり、災害時の非常用電源としても利用できるため、長期的に見て安心につながります。
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地元密着の石川工務店会社概要

会社名 | 有限会社石川工務店 |
住所 | 島根県出雲市塩冶町781-19 |
電話番号 | 0853-22-7165 |
公式サイトURL | https://daiku-is.jp/ |
ここからは、島根県出雲市で40年以上にわたって家づくりを担い、多くのお客様から支持されている石川工務店の魅力を具体的に紹介します。
新築だけでなく、増築や改築、リフォーム、さらには家引きや店舗施工といった多彩な分野にも対応しており、施工範囲が広い点が大きな特長です。
基本概要と選ばれる理由

40年以上培った技術力と幅広い施工対応
石川工務店は、地域に根ざした工務店として長年の経験と職人の技術を積み重ねてきました。
新築や改築、移築にいたるまで、住宅に関わるさまざまな工事を手がけており、豊富な経験をもとに最適な施工プランを提案できる体制が整っています。
また、土地や造成、資金・税金相談にも応じてくれるため、家づくり全体をワンストップでサポートしてもらえるのも安心です。
土地・資金・税金相談にも対応する柔軟さ
実際、建物の建築前には土地購入や地盤改良、資金計画、税金申告など多岐にわたる準備が必要です。
石川工務店では、このような周辺知識をトータルでカバーできるアドバイス体制を整えています。
施主の目線に立って丁寧な打ち合わせを重ねることで、将来を見据えた最適なプランを提案し、長期間安心して住める住まいづくりを実現してくれます。
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◯さらに詳しい情報は公式ホームページでも確認できます
有限会社石川工務店HP
まとめ

高性能住宅は、断熱性・気密性・耐震性・省エネ性などが高水準で揃っており、島根のように湿度と寒暖差が大きい地域においても、長く快適に暮らすための優れた選択肢です。
単純に「夏に涼しく冬に暖かい」というメリットだけでなく、建物の耐久性を保ち、健康リスクを低減し、光熱費の削減にもつながります。
特に、高気密化と計画換気を両立させることで湿気やカビの悩みを軽減できる点は、降水量の多い島根では大きなアドバンテージです。
加えて、耐震等級や長期優良住宅の基準を満たす家づくりを行うことで、地震や台風などの災害にも強く、将来的にもリフォームや建て替えの負担を抑えられます。
さらに、バリアフリーや可変性といった将来への備えも、長期視点での家づくりでは欠かせません。
今は若い世代でも、いずれ高齢になることは避けられず、家族構成やライフスタイルも変化していきます。
広めの開口部や段差の少ない動線、手すりを取り付けやすい壁下地など、あらかじめ計画しておくことで、改修の手間やコストを大幅に削減できます。
最後に、ハウスメーカーや工務店を選ぶ際には、以下の点を確認することをおすすめします。
断熱材・気密施工の経験
どんな断熱材を使っているのか、C値はいくつか、気密測定は行っているかなど。
換気システムの種類と維持管理方法 |
第1種換気か熱交換換気か、フィルターの交換頻度やメンテナンスがしやすいかを確認。 |
耐震性能や長期優良住宅対応の可否 |
耐震等級2以上を目指す場合、どのような構造・材料で対応しているか。 |
将来のリフォームやバリアフリー化への対応 |
スペースや間取りの可変性、壁の補強など、長期的に柔軟に対応可能な設計か。 |
アフターフォロー体制 |
定期点検やメンテナンス、保証内容がどうなっているか。 |
高性能住宅は初期費用が高めになる傾向もありますが、長期で見たときのメリットは非常に大きいといえます。
家族の健康を守り、災害時にも安心し、ライフサイクルコストを抑えられる家づくりは、まさに「長期的な視点」で検討すべき大きな投資です。
島根の気候特性を踏まえながら、ご自身やご家族にとって理想的な住まいを実現するために、高性能住宅のポイントをしっかり把握し、信頼できるパートナーとともに家づくりを進めてみてください。
これから何十年と暮らす家だからこそ、断熱や気密など目に見えにくい部分もしっかりこだわる価値があります。
将来の家族構成やライフスタイル、そして高齢期の暮らしまで見据え、最初の計画段階から高性能住宅の考え方を取り入れれば、あなたの住まいはより快適で、より安全な場所になるはずです。
ぜひ、長期的展望に立った家づくりを実践していきましょう。
この記事は、島根の気候特性や高性能住宅のメリットを踏まえ、長期的な視点で注文住宅を検討している方に向けて再構成した内容です。
住まいづくりの検討段階でぜひお役立てください。
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