木造軸組み工法とは?注文住宅で選ばれる理由とメリット・デメリット
公開:2023.11.28 更新:2024.10.04木造軸組み工法とは、柱(はしら)と梁(はり)によって建物を構築する方法です。設計上の制約が少なく、自由度が高い点が特徴です。注文住宅での採用が多い一方、経験豊富な職人が必要であり、工期が他の工法に比べて長いという特徴もあります。
この記事では、木造軸組み工法について、木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法との違い、木造軸組み工法にのメリットデメリットを解説しています。
注文住宅を検討されている方にとって有益な情報を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
木造軸組み工法とは?注文住宅で選ばれる理由
木造軸組み工法とは
木造軸組み工法は、日本の伝統的な建築工法のひとつで、柱(はしら)と梁(はり)によって建物を構築する方法です。この工法は長年にわたり日本で使用されており、特に木造住宅に広く採用されています。
柱と梁を組み合わせて骨組みを形成し、壁や屋根を取り付けて建物を完成させます。この骨組みの中には「筋交い」と呼ばれるX字状の建材を配置し、耐力壁として機能させることで、高耐震性と高耐久性を実現します。
木造軸組み工法の特徴は、柱と梁を使用するため、設計上の制約が少なく、自由度が高い点です。しかし、建築現場では経験豊富な職人が必要であり、施工の品質は職人の腕に左右されることがあります。
この工法は日本の伝統を受け継ぎながらも、現代の建築ニーズに合わせて進化しており、木造軸組み工法とツーバイフォー工法のどちらが優れているかは個別の要件に依存します。木造軸組み工法は日本の住宅建築において広く採用されており、その特長はさまざまな建築プロジェクトに適しています。
木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法との違い
木造軸組工法とセットで木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)についても耳にすることがあるでしょう。
どちらも木造住宅の代表的な工法ですが、それぞれ異なる構造や特性を持っています。
間取り
解説してきたように、木造軸組工法は、柱や梁といった軸組で建物を支える日本伝統の工法であり、間取りの自由度が高い点が特徴です。
これに対し、木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)は、北米発祥の建築法で、建物全体を壁で支える構造を持っています。このため、耐震性や耐風性に優れていますが、壁の配置が固定されやすく、設計の自由度が制限されることがあります。
耐震性
耐震性能の面では、ツーバイフォー工法は面全体で外力を受け止めるため、均等に力が分散され、地震や強風に対する安定性が高いとされています。
一方で、木造軸組工法は柱や梁が力を支える構造のため、設計によっては揺れに弱い部分が発生することもありますが、近年の技術進化により、耐震補強を施せば同様に高い耐震性を実現できます。
コスト
コスト面では、ツーバイフォー工法は規格化された木材を使用し、工場での加工がしやすいため、施工が早く、比較的安価に済むことが多いです。
一方、木造軸組工法は設計の柔軟性が高い反面、施工に手間がかかるため、工期が長くなりやすく、コストが増える傾向にあります。
このように、木造軸組工法とツーバイフォー工法には、それぞれ異なる強みと弱みがあります。設計の自由度を重視するなら木造軸組工法、耐震性やコスト面を重視するならツーバイフォー工法が適しているといえるでしょう。
注文住宅で木造軸組み工法の割合
注文住宅において、木造軸組み工法(在来工法)は非常に高い割合を持っています。令和3年(2021年)の新設住宅着工戸数における工法別のシェアでは、木造軸組構法が79%と圧倒的なシェアを占めています。特に一戸建て住宅においては木造軸組み工法の割合が91%に達し、全体でも59%を占めています。
この高い木造軸組み工法の割合は、木造での工事費用が比較的安価であることが一因とされています。構造別の住宅工事費用予定額を比較すると、木造が17万円/m2、鉄骨造が28万円/m2、鉄筋コンクリート造が29万円/m2となっています。
木造軸組み工法は、日本の住宅建築において根強い支持を受けており、特に一戸建て住宅においては主流となっています。その経済的な利点や地域における需要に支えられ、木造軸組み工法は今なお多くの人々に選ばれています。
木造軸組み工法のメリット・デメリット
メリット
木造軸組み工法にはいくつかのメリットがあります。
設計の自由度が高い
木造軸組み工法は柱と梁で構築されるため、外壁や屋根の形状、間取りに高い自由度があります。これにより、個々の要望に合わせたカスタマイズが容易で、こだわりの注文住宅を実現できます。
増改築がしやすい
間取りの自由度の高さから、増改築やリフォームの際にも柔軟な対応が可能です。家族構成の変化やライフスタイルの変更に合わせて、住まいをアップデートすることができます。
開口部が広く取れる
木造軸組み工法は開口部(窓や出入り口)を広く設けるのに適しています。豊富な自然光や良好な通風を確保でき、快適な居住空間を実現します。
部材の種類が豊富
木造軸組み工法では多種多様な木材が使用されます。これにより、デザインや耐久性において多彩な選択肢があり、理想の住まいを実現できます。
健康に配慮
構造体に無垢材を多く使用することが一般的で、健康によい住環境を提供します。また、シックハウス症候群のリスクが低いのも特徴のひとつです。
変形地や狭小地に適している
構造の柔軟性から、変形地や狭小地にも対応しやすい工法です。土地の条件に左右されず、建物を設計・建設できます。
デメリット
木造軸組み工法には以下のデメリットがあります。これらのデメリットは、木造軸組み工法を選択する際に考慮すべき要因です。工期や品質への要求が高い場合、他の工法の検討も検討する価値があるかもしれません。
品質にバラつきがある
木造軸組み工法では木材の質や職人の技術に依存するため、品質にばらつきが生じることがあります。異なる職人や工務店によって建物の完成度が異なるため、慎重な住宅会社の選定が必要です。
工期が長い
他の工法に比べて工期が長くなることがあります。木造軸組み工法は現場での作業が多く、職人の腕に大きく依存するため、建設に時間がかかります。これは人件費にも影響し、費用が増加する可能性があります。
島根で木造軸組み工法を手掛ける住宅メーカー
石川工務店
出典元:石川工務店
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 有限会社石川工務店 |
所在地 | 島根県出雲市塩冶町781-19 |
設立年 | 1968年6月7日 |
公式サイト | https://daiku-is.jp/ |
石川工務店は島根県出雲市でトップレベルの技術と職人を誇り、15人の「令和の職人」を含む職人集団を擁しています。石川工務店は木造軸組み工法を専門とし、在来工法とも呼ばれる伝統工法で家を建てています。この工法は日本の伝統を受け継ぐもので、長い歴史と信頼性があります。
日本人の伝統的な住宅における木材利用を尊重し、木材の優れた性質を活かしています。木材は呼吸し、調湿し、断熱し、抗菌性があり、シックハウスなどの問題を軽減できる素材として重要視されています。木造軸組み工法は職人の技術に依存するため、石川工務店では日々技術の向上に取り組み、高品質な家を提供しています。信頼性の高い工法を通じて、お客さまの満足を追求しています。
また木材の特性により、実質的な性能が優れており、快適な居住環境を提供しています。
石川工務店は伝統と現代のニーズを結びつけ、高品質かつ快適な木造住宅を提供するプロフェッショナル集団です。木造住宅にこだわり、お客さまが永く安心して暮らせる家を築くことに情熱を傾けています。
【施工事例】趣あるこだわりの注文住宅
出典元:石川工務店
石川工務店が手掛けたこの注文住宅は、シンプルでありながら趣ある外観と、木の温もりを活かした内装が特徴です。
外観は、グレーの落ち着いた色調を基調とし、シンプルでモダンなデザイン。
内装に目を向けると、リビングルームは木目が美しいフローリングと天井が温かみを感じさせ、自然光がたっぷり差し込む設計になっています。
和モダンの要素が感じられるこの部屋は、日常の生活の中に和の趣を取り入れたい方にとって理想的な空間です。
山根総合建築
出典元:山根総合建築
項目 | 詳細 |
会社名 | 有限会社 山根総合建築 |
所在地 | 島根県松江市美保関町福浦650-1 |
公式サイト | http://yamane-sk.co.jp/ |
山陰地方の厳しい気象条件に合わせて、長寿命で快適な家を提供することに特に力を入れています。この地域独自の気候に対応するため、地元で生まれた山根総合建築はこだわりをもって、山陰に最適な住まいを提供します。
山根総合建築は、家を建てる際に天然無垢材を使用し、木造軸組構法(在来工法)を採用しています。天然の木材を使い、化学物質を排除し、自然の素材を活かす工法を選択。その理由を説明し、高品質な住宅を提供します。地元の気候や風土に合わせた家造りへのこだわりがあります。山陰の厳しい冬季に対応し、家を風や雪から守り、快適な生活を実現する工夫が盛り込まれています。
地元の経験と知識を活かし、山陰の家づくりに挑戦しています。安価な材料が大量生産される中で、山根総合建築は国内産の信頼性の高い材料を使用し、住み心地と耐久性にこだわっています。長期間にわたり安心して住むことができる家を提供し、健康と快適さを重視しています。
【施工事例】過ごしやすい和モダンスタイル
出典元:山根総合建築
山根総合建築が手掛けたこちらの注文住宅。
全体として、この住宅は和とモダンが絶妙に融合されたデザインで、住み心地の良さを追求した設計が随所に見られます。
外観は、深いネイビーの外壁に木目が映えるデザインで、伝統的な和の雰囲気を残しつつ、現代的なモダンさを融合させた仕上がりに。
内装は、キッチンやリビングに広がる木目調の床材と明るい照明により、温かみのある居住空間が広がっています。
広めの玄関スペースは、家族や来客が快適に使えるように配慮されており、木材を多く取り入れたナチュラルなデザインが住宅全体の統一感を生んでいます。
三協住宅
出典元:三協住宅
項目 | 詳細 |
会社名 | 株式会社 三協住宅 |
所在地 | 島根県松江市宍道町宍道803-2 |
設立年 | 昭和45年 |
公式サイト | http://sankyojyutaku.co.jp/sp/ |
三協住宅は、家づくりを一生に一度の大事業と位置づけ、お客さまとの協力のもと、手づくりの家を創造します。お客さまの夢と幸せを叶える使命を胸に、家づくりに情熱を注ぎます。純木造住宅と在来工法にこだわり、木のぬくもりと環境への配慮を大切にしています。家族が安心して住み続けられる家づくりを追求し、お客さまの個性に合った住まいを提供します。
あずみの家は、”木のぬくもりにホッとする家”をコンセプトに掲げています。細心の心配りと手造りの注文住宅で、お客さまのライフスタイルに合った個性豊かな住まいを提供し、感動をお届けします。
三協住宅は日本建築の伝統である在来軸組工法を継承しながら、先進的な技術と融合させています。島根県の気候風土に合わせた住まいを提供し、木造住宅の堅固さと快適さを実現しています。木材の特性を活かし、湿度の調節ができる住宅環境を提供します。
【施工事例】過ごしやすい和モダンスタイル
出典元:三協住宅
この住宅は、和の伝統的な要素とモダンなデザインを組み合わせた、過ごしやすい和モダンスタイルの住まいです。
落ち着いた色合いを基調とした2階建て。周囲の環境に調和しつつも独自の個性を放っています。
日本瓦の屋根に設置された太陽光パネルは、現代的なエコロジーの要素を取り入れており、エネルギー効率も考慮された設計です。
内装には、木の梁を活かしたリビングスペースが特徴で、落ち着きと温かさを感じさせる空間が広がっています。
シンプルで機能的なキッチンは、モダンな設備を備えつつ、和の要素が感じられるデザインが取り入れられており、家族が集う場所として心地良さを追求しています。
木造軸組み工法は、柱と梁を用いて建物を構築する日本の伝統的な建築工法で、木造住宅に広く採用されています。柱と梁を組み合わせて骨組みを形成し、高い耐震性と耐久性を備えています。設計の自由度が高く、注文住宅での採用が多い一方、経験豊富な職人が必要であり、工期が他の工法に比べて長いという特徴もあります。
注文住宅では木造軸組み工法が圧倒的なシェアを占め、特に一戸建て住宅で91%に達しています。経済的な利点から、木造での工事費用が他の構造よりも安価であることが、採用の一因とされています。
また、木造軸組み工法のメリットには設計の自由度の高さや増改築のしやすさ、健康に配慮した構造が挙げられます。一方で、品質のバラつきや工期の長さがデメリットとして考慮されます。地域に特化した住宅メーカーもあり、石川工務店や山根総合建築、三協住宅などが島根で木造軸組み工法を提供しています。