高気密高断熱の注文住宅とは?魅力とメリットデメリットを紹介
2023.11.28注文住宅を検討する際、高気密高断熱が最も重要な基準の一つとして浮上しています。島根で注文住宅を建てる場合も、高気密高断熱の住宅の特性やメリットやデメリットついて理解することが、賢い注文住宅選びの鍵となります。こちらでは、高気密高断熱の家とは何かについて詳しく探求し、その重要性を解説します。
高気密高断熱とは?注文住宅で重視される性能
「高気密高断熱とは?」という言葉は、多くの人にとって馴染み深いものでありながら、その具体的な特徴や重要性について詳しく理解している人は少ないかもしれません。ここであらためて高気密高断熱の特徴について解説します。
高気密・高断熱の家とは
高気密高断熱の住宅は、外部環境からの影響を最小限に抑え、室内の快適な温度と空気品質を維持する特性を持つ住宅です。これらの住宅は高い気密性と断熱性を備えており、以下にその特性を詳しく説明します。
高気密性
高気密性とは、住宅の内外の空気の流通を最小限に抑える性能を指します。建物内部の隙間やクラックをできるだけ少なくし、外部の空気の侵入を防ぎます。高気密な家は、工場での精密な建材の生産、防湿シート、断熱材、気密テープの使用などによって実現され、外部の気象条件に左右されにくく、室内の温度や湿度の管理が容易で、快適な居住環境を提供します。
高断熱性
高断熱性とは、住宅が外部の気温の変化に対して影響を受けにくい性能を指します。外壁、天井、床下などに断熱材を使用し、断熱性の高い建材を採用することで、室温が外部気温の変動に左右されず、快適な居住環境を提供します。
注文住宅でニーズが高まる高気密・高断熱
国土交通省の「平成25年度住宅市場動向調査」によれば、注文住宅を建設する人々の中で、「高気密・高断熱住宅」に対する需要が急速に高まっていることが明らかになりました。この調査は、住み替えを行った世帯を対象に新築系の住宅と中古住宅を分けて調査を行った結果、特に注文住宅において高気密性と高断熱性を持つ住宅に対するニーズが顕著であることが浮かび上がりました。
従来、住宅選びの要因としては、「間取り・部屋数が適切であること」「住宅の広さが十分であること」「台所の設備・広さが十分であること」といった基本的な条件が上位に挙げられていました。しかし、注文住宅を選ぶ人々にとっては、今では「高気密・高断熱住宅だから」という要因が、最も重要な選択基準となっています。
この変化は、環境への配慮やエネルギー効率の向上への意識が高まっていることを示しています。高気密性と高断熱性を備えた住宅は、外部環境からの影響を受けにくく、エネルギーの無駄を減らすことができるため、快適性と経済性の両面で魅力的とされています。このような背景から、注文住宅市場において高気密・高断熱の家への需要が増加しているのです。
高気密高断熱住宅のメリット・デメリット
高気密・高断熱住宅は、単に室内の温かさを保つだけでなく、さまざまなメリットがあります。こちらでは、高気密・高断熱の家のメリットとデメリットについて、詳細に解説します。
メリット
光熱費が安くなり省エネになる
高気密・高断熱の家は、外部からの空気の侵入を防ぎ、室内の温度を一定に保つため、冷暖房効率が向上します。冷暖房を効率的に利用でき、結果として光熱費が削減でき、省エネ効果が期待できます。断熱性の高い家は、冷暖房に使うエネルギーも少なくて済むため、エネルギーコストを抑えられます。
部屋ごとの温度差が小さい
高気密・高断熱の家では、室内の温度差が小さくなります。これにより、室内で急激な温度変化が起こりにくくなり、快適な居住環境が提供されます。例えば、リビングから廊下に出ると急激に寒さを感じるようなことがありません。また、温度差が小さいことはヒートショックのリスクを低減させ、特に高齢者にとって安全です。
高い遮音性
高気密性は外部からの騒音を遮断し、室内の音も外に漏れにくくします。これにより、静かな環境が提供され、快適な居住環境が実現します。特に騒音が気になる場所に住む場合、高遮音性は大きなメリットです。
結露が発生しにくい
高気密・高断熱の家は外気温度の影響を受けにくく、結露が発生しにくいです。結露は家の劣化を引き起こす要因の一つであり、高気密性により家を長持ちさせるのに役立ちます。また、適切な換気が行われれば、結露のリスクは低くなります。
効果的な換気が可能
換気システムを搭載した高気密・高断熱の家では、空気の入れ替えが効率的に行えます。健康に有害な室内空気を排出し、新鮮な空気を取り入れることができます。これはシックハウス症候群などのリスクを低減させ、快適な室内環境を維持するのに役立ちます。
デメリット
建築費用が高くなりやすい
高気密・高断熱の仕様を実現するためには、特殊な断熱材などの材料を使用する必要があり、建築費用が通常の住宅より高くなる傾向があります。断熱材の種類や性能によって価格が大きく変動するため、予算を考慮しながら計画する必要があります。ただし、初期費用は高くても、将来的な光熱費の削減により元が取れる可能性があります。
夏場に熱気がこもる
高気密性の家は夏場に熱気がこもりやすい傾向があります。日射を適切に制御しないと室内が過熱する可能性があります。日除けや窓の設計を工夫することが重要です。
においがこもる
高気密性はにおいのこもりやすさをもたらします。特ににおいの強い料理やペットのにおいが残りやすいため、適切な換気と消臭対策が必要です。
空気が乾燥しやすい
高気密性の家は常に換気が行われるため、室内の空気が乾燥しやすくなります。冬季には加湿器などを使用して湿度を調整する必要があります。
開放感に欠ける
高気密性の家は窓の大きさを制限する傾向があり、開放感が不足することがあります。窓の設計に工夫が必要で、断熱性能の高い窓材を選択することができますが、窓の大きさと断熱性能とのバランスを考慮する必要があります。
高気密・高断熱の家を選ぶ際には、これらのメリットとデメリットを総合的に評価し、自身のライフスタイルや予算に合わせた選択を検討することが重要です。
高気密高断熱の注文住宅を建てる為のポイント
高気密高断熱の注文住宅を建てる際の詳細なポイントを以下で詳細に解説します。
実績のあるメーカーを選ぶ
建築メーカーの選定は非常に重要です。高気密高断熱の家を建てるためには、経験豊富で信頼性のあるメーカーを選ぶことが必要です。メーカーのウェブサイトやカタログをチェックし、これまでの施工実績や顧客の評判を確認しましょう。また、実際の住宅展示場を訪れて、建物の品質や仕上げ具合をチェックすることもおすすめです。
窓とサッシの性能向上
窓とサッシは断熱性能に大きな影響を与えます。高性能な窓ガラスやサッシを選択する必要があります。複層窓ガラス、トリプルガラスなどの断熱性能が高い窓を選択すると、室内の温度を外気に左右されにくくなります。サッシの選定も重要で、高性能なサッシを選ぶことで窓周りの気密性が向上します。
断熱工法を検討
注文住宅の断熱性能向上には、充填断熱と外張断熱の2つの主要な方法があります。充填断熱は、内壁や床、天井などの中に断熱材を充填する方法で、一般的に低コストで効果的です。外張断熱は、建物の外側に断熱材を配置し、高い断熱性能を実現しますが、コストは高くなります。プロと相談して、建物の条件に合った断熱工法を選択しましょう。
間取りと冷暖房の効率
高気密高断熱の家の間取り設計は、冷暖房の効率を向上させるために重要です。空気の流れを考慮し、凸凹のない間取りを検討しましょう。冷暖房機器の配置や換気システムの設計も重要で、室内の温度と湿度を適切にコントロールできるように設計されるべきです。
日射対策
軒や庇を設けることで、直射日光が窓や外壁に当たるのを防ぎ、室内の温度をコントロールしやすくします。もし軒や庇を省略する場合、遮熱カーテンや遮光ブラインドなどを利用して、日射対策を行いましょう。これにより、室内の快適さを維持し、冷暖房のエネルギー効率を向上させます。
これらのポイントを考慮し、建物の設計や建設プロセスを進めることで、高気密高断熱の新築注文住宅を効果的に実現できます。建物の性能向上を追求し、エネルギー効率の高い住環境を構築しましょう。
高気密高断熱の住宅は、外部からの影響を最小限に抑え、室内の快適な温度と空気品質を提供する特性を持つ建物です。高気密性は外部空気の侵入を防ぎ、高断熱性は室内温度の変動を抑制します。
高気密高断熱の住宅はさまざまなメリットがあります。高気密高断熱の住宅は、光熱費を削減できるため、エネルギー効率の向上が期待できます。冷暖房を効率的に利用でき、結果として光熱費が削減でき、省エネ効果が期待できます。
また、部屋ごとの温度差が小さくなるため、室内で急激な温度変化が起こりにくく、快適な居住環境が提供されます。さらに、高気密性の家は外気温度の影響を受けにくく、結露が発生しにくいです。結露は家の劣化を引き起こす要因の一つであり、高気密性により家を長持ちさせるのに役立ちます。
一方、デメリットとしては、建築費用が高くなることや、夏場に熱気がこもりやすいなどが挙げられます。高気密高断熱の家を建てる際には、信頼性のあるメーカーの選定、窓やサッシの性能向上、適切な断熱工法の選択、効率的な間取り設計、日射対策の考慮が重要です。