高性能住宅の特徴と島根で快適に過ごす為の家づくり
2024.07.22高性能住宅は、現代の住まいにおいて快適さ、耐久性、エネルギー効率の面で多くの利点を提供します。特に島根県の気候特性を考慮すると、適切な断熱性と気密性を備えた住宅が重要です。
夏の高温多湿や冬の厳しい寒さ、さらに多雨多湿の環境に対応するため、高性能住宅は外気の影響を最小限に抑え、快適な室内環境を維持します。また、省エネ性を高めるために太陽光発電システムの導入も効果的です。
目次
高性能な注文住宅の魅力や特徴とは?
高性能な注文住宅は、現代の住まいにおいて重要な選択肢の一つです。高性能な住宅は、快適さ、耐久性、エネルギー効率の面で多くの利点を提供し、島根県においても住む人々の生活の質を大幅に向上させます。
◇断熱性および気密性の高さ
高い断熱性や気密性により、冬は暖かく夏は涼しい快適な室内環境が保たれます。断熱材の選択や施工の技術が重要で、隙間を最小限に抑えることで外気の影響を受けにくくなります。
外気の影響を受けにくいため、エネルギー消費が削減され、冷暖房費の節約にもつながります。また、気密性が高いことで、外部の騒音やほこりの侵入を防ぎ、より静かで清潔な室内環境が実現します。
◇耐久性や耐震性に優れる
高性能住宅の基準のひとつとして、耐震性の高さは欠かせません。日本は地震が多い国であるため、住宅の耐震性は非常に重要なポイントとなります。耐震性の高い住宅は、地震の揺れに強い工法や、揺れを吸収する減震性能を備えており、大きな揺れでも倒壊の可能性が低くなるため、高い性能を持つ住宅といえます。
また、高性能住宅には耐久性の高さも必要です。耐久性は耐震性や耐火性、工法など様々な側面を考慮して評価されます。長期間にわたり住み続けられると判断された住宅は、「長期優良住宅」の認定を取得することができます。家は使い捨てではなく、耐久性が高いことで二代、三代と受け継ぐことも可能です。
注文住宅にも一定の寿命があります。一般的な木造住宅の耐用年数は30年前後といわれていますが、鉄筋コンクリート造のマンションは100年程度持つとされており、木造住宅の耐久性が低いことがわかります。
しかし、木造建築でも適切な建材や工法を選ぶことで、30年以上の長期間住むことも可能です。特に「長期優良住宅」に認定された木造住宅は、75〜100年の耐久性を持つとされています。
◇節電・太陽光発電などの省エネ性
断熱性や気密性に優れた高性能住宅は、省エネ性も高くなります。省エネ性の高い注文住宅は、夏の冷房費や冬の暖房費の節約につながるメリットがあります。年間を通して外気の影響を受けにくくなることで、エアコンを使う頻度も減少します。
エアコンは夏場の電気消費量の約40%を占めるほど多くの電気を消費しますが、高気密・高断熱の高性能住宅であれば、エアコンなしでも快適に過ごしやすくなります。また、最近では、省エネ性を重視した太陽光発電システムを備えた住宅も人気が高まっています。
太陽光発電システムを導入することで、自家発電した電力を使用できるため、さらに光熱費を抑えることができます。余剰電力は売電することも可能で、経済的なメリットが生まれます。高性能住宅は、これらの省エネ性能を備えていることで、環境にも優しく、家計にも優しい住まいを提供します。
島根の気候上の特徴は?湿度の高さと家の関係
画像出典:フォトAC
島根県は、日本海に面した位置にあり、独特の気候特性を持っています。そのため、住まいに関して考慮すべきいくつかの重要なポイントを抑えることが必要です。
◇夏は暑く冬は寒いため寒暖差が大きい
島根県は、夏は高温多湿で蒸し暑く、冬は寒さが厳しい地域です。夏には日本海からの湿った空気が流れ込み、気温が上がると同時に湿度も高くなります。冬には、シベリアからの寒気が流れ込み、寒さが一層厳しくなります。
この寒暖差の大きさは、建物の断熱性能や気密性に大きな影響を与えます。適切な断熱対策を施さないと、夏の暑さや冬の寒さが室内に直接影響し、快適な住環境を維持することが難しくなります。
◇雨量が多く湿度が高い
島根県は全県的に温暖な気候を持っていますが、日本海側に位置しているため、冬場には日本海から雲が流れ込みやすく、曇りや雨、雪の日が多くなります。このため、島根県の気候は「日本海側気候」に分類され、冬に降水量がピークとなるのが特徴です。
島根県の年平均気温は12℃〜15℃で、年間の降水量は1,600mm〜2,300mmと多めです。特に梅雨期と冬期に降水量が集中し、梅雨の終わりには集中豪雨に見舞われることもあります。2020年の年間降水量は2,015mmで、全国で19位となっています。
また、冬期には北西からの強い季節風が湿気を運んでくるため、曇りや雨、雪の日が多くなります。
◇湿度が高いと家や住民に悪影響が及ぶ
湿度が高い環境では、住まいにさまざまな悪影響が及びます。悪影響の中でも代表的なものは、結露の発生です。結露は窓や壁に水滴を生じさせ、カビの発生に繋がります。
カビは建材を腐食させるだけでなく、住民の健康にも悪いです。
特に、アレルギーや喘息の原因となることが知られています。また、湿度が高いとダニが繁殖しやすく、ダニの糞や死骸は、空気中に浮遊し、呼吸器系の疾患を引き起こす可能性があります。
高気密の住宅は湿度が高い?
高性能住宅は高気密であるため、湿度が高くなると考える人も少なくありません。しかし、実際には湿度が低く快適に過ごせる住宅環境が実現されています。
◇高性能の換気システムを備える
高性能住宅は、高気密であると同時に、高性能の換気システムを備えています。換気システムは、室内の空気を定期的に入れ替えることで、湿気を効果的に排出し、新鮮な空気を取り入れることが可能です。
特に、熱交換型の換気システムは、外気を取り入れる際に熱を回収し、室温を保ちながら換気を行うため、湿度をコントロールし、快適な室内環境を維持できます。
◇換気システムは常に稼働する方が良い
高性能住宅において、換気システムは常に稼働していることが望ましいです。定期的な換気ではなく、24時間連続して稼働させることで、室内の湿度や汚染物質を常に低く保つことが可能です。
高気密な住宅であっても、湿気や有害物質が蓄積しないようにするためには換気システムを連続稼働させる必要があります。また、連続稼働することで、結露やカビの発生を防ぎ、室内の空気質を向上させることができます。
◇外壁や窓の素材の選択も重要
高断熱の家では、外壁と内壁の間に断熱材を入れたり、断熱性が高い窓を使用したりすることで断熱性能を高めています。しかし、高気密高断熱住宅において、外気の影響を受けやすい部分が「窓」です。たとえ高気密高断熱の家を建てても、窓やアルミサッシが熱を伝えてしまうと、室内の温度を快適に保つ性能が大きく低下してしまいます。
窓が外気の影響を受けると、室温と外気温の差が生じ、その結果、窓ガラスやサッシの表面に結露が発生します。結露はカビの発生を促し、家そのものの劣化の原因にもなります。これを防ぐためには、断熱性が高い窓を選ぶことが重要です。
たとえば、複層ガラスや断熱サッシを採用することで、熱の伝わりを抑え、結露の発生を防ぐことができます。また、外壁の断熱材選びも重要で、適切な素材を使用することで、家全体の断熱性能を向上させることができます。
高性能な家を見極めるためには?
注文住宅を依頼する際、高性能住宅に対応できるハウスメーカーかどうかを見極めることが重要です。
◇断熱材の性能
断熱材にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。無機質繊維系のグラスウールやロックウールは価格が安く耐火性もありますが、シックハウス症候群の原因となる有害物質が含まれていることがあります。
天然素材系の羊毛やセルロースファイバーは環境に優しく有害物質の心配がないですが、コストが高くなります。発泡プラスチック系の断熱材は湿気に強く、耐水性があり施工も容易ですが、価格がやや高めです。断熱塗料は施工が簡単でリフォームにも適していますが、他の断熱材に比べると効果が劣ることがあります。
断熱材を選ぶ際には、家の構造や使用する場所に合わせて適切な素材を選ぶことが重要です。断熱材の厚さや性能、施工方法を考慮し、隙間なく施工することで気密性を高め、結露を防ぐことができます。結露は住宅の寿命に悪影響を与えるため、適切な断熱材選びが快適で長持ちする住まいを実現する鍵となります。
◇気密性能の確認
気密性の高さも、高性能住宅に欠かせない要素です。気密性能の指標として「C値」という数値が用いられます。C値は住宅の隙間面積を表し、数値が小さいほど気密性が高いことを示します。一般的に、C値が1.0以下であれば高気密住宅とされています。
新築住宅を建てる際には、住宅メーカーに気密測定の結果を確認することが重要です。建築後に行われる気密測定の結果を確認し、C値が基準を満たしているかを確かめましょう。また、メーカーがどのような施工方法で気密性を確保しているかを詳しく説明してもらうことも大切です。
◇換気システムの性能
高気密・高断熱住宅において、換気システムの性能は快適な住環境を維持するために欠かせません。換気システムには、大きく分けて自然換気と機械換気がありますが、高性能住宅では機械換気、特に熱交換型のシステムが推奨されます。
熱交換型換気システムは、外気を取り入れる際に室内の温度を保持するため、エネルギー効率が高く、室内の温度や湿度を一定に保つことができます。住宅メーカーに対して、使用している換気システムの種類や性能、メンテナンスの方法について詳しく確認することが重要です。
高性能な注文住宅は、快適さ、耐久性、エネルギー効率に優れ、多くの利点を提供します。まず、断熱性と気密性が高く、冬は暖かく夏は涼しい快適な室内環境を保つことができます。
耐震性の高さも高性能住宅には欠かせません。日本は地震が多いため、耐震性の高い住宅は揺れに強く、倒壊の可能性が低くなります。また、耐久性の高い住宅は長期間住むことができ、「長期優良住宅」として認定されることもあります。
島根県の気候特性として、夏は高温多湿、冬は寒さが厳しく、雨量が多く湿度が高いことが挙げられます。このため、適切な断熱対策と換気システムが重要です。高気密高断熱住宅には高性能の換気システムが備えられており、室内の空気を定期的に入れ替えることで湿気を効果的に排出します。