道路沿いの家はうるさい?注文住宅の防音対策
公開: 2024.09.18 更新: 2025.06.30
道路沿いの家では、交通の騒音が生活に影響を与えることがよくあります。特に国道や幹線道路に面した住宅では、車の走行音や緊急車両のサイレンなどが日常的に聞こえるため、静かな住環境を望む方にとってはストレスとなることもあります。
しかし、注文住宅では防音対策をしっかりと行うことで、こうした外部の騒音を大幅に軽減することが可能です。本節では、道路沿いの家に適した防音対策について、効果的な方法やポイントを詳しく解説していきます。
目次
注文住宅の防音対策の必要性と2つのケース

快適な住まいづくりをするには防音対策も重要です。家庭内の生活音や外部の騒音は、近隣トラブルや暮らす上でのストレスの原因となることが多いため、注文住宅を建てる際にはしっかりと防音対策を施すようにしましょう。
◇外からの騒音と内からでる音

住宅での騒音問題には、家の外からの騒音と家の内からでる音の2種類あります。外からの騒音とは、近隣の工事現場や道路、線路からの騒音や、隣家からの生活音などです。
これらの外部からの音は、自分ではコントロールできない場合が多く、一度気になり始めると注意がそちらに引き寄せられ、それがストレスに感じることも少なくありません。
また、自宅内での日常生活により発生する、洗濯機や掃除機の作動音、子供の足音や声、料理中の音、お風呂やトイレの水音などが「うるさい」と感じることもあります。これらの音が響く主な原因は間取り、使用材質、建物の構造に関連しており、特に吹き抜けがある住宅や上階がある木造住宅では音が響きやすいとされています。
◇注文住宅の防音対策の必要性
騒音は心理的ストレスにより引き起こして、睡眠妨害など日常生活に影響を及ぼし、集中力を損なうことがあります。これにより地価や不動産価格が下落する社会的影響も見られます。
防音対策を怠ると、自宅の音が漏れて近隣トラブルの原因となる場合があり、適切な防音対策によりプライバシーを保護し、外部の騒音を遮断することで、住環境の快適性を保つことが可能です。
防音・吸音・遮音とは?防音対策の基礎知識

防音対策を考える際には、「防音」「吸音」「遮音」という3つの概念を理解することが重要です。これらはそれぞれ異なる役割を持ち、快適な生活空間を作るための基本的な要素となります。
◇防音性
快適な生活空間につながるのが防音性の高さです。「防音」とは、音の漏れや侵入を防ぐための対策を指し、具体的な方法に「遮音」と「吸音」があり、これらは防音の一環として活用されます。
適切な防音対策をするためには、騒音の性質や原因を理解する必要があり、建物の立地や間取りに応じた対策が必要です。防音性の高い住宅では、外の騒音に邪魔されることなく、外部に漏れる音を気にせずに生活ができるため快適です。
◇吸音性
「吸音」とは音を吸収し反響を防ぐことで、壁に細かい穴が開いた軟質ウレタンやポリエチレンフォームなどの吸音性の高い材質を使用することで、室内の音を効果的に吸収し外部への音漏れを防ぎます。
音楽室や録音スタジオでは、これらの音を吸収する穴や突起が付いた壁が、音漏れや反響の防止に役立っています。吸音のメカニズムは、細孔を持つ素材が音を取り込み、内部で拡散させて吸収し、反射する音の大きさが小さくなるほど、吸音性が高くなります。
◇遮音性
遮音は伝わる音を跳ね返して遮断して、外部に漏れるのを防ぐと同時に外からの音の侵入も防ぐ防音方法です。遮音性を高めることで、パトカーのサイレン、雷、ペットの鳴き声など空気を介して伝わる音に特に有効で、防音対策の中で比較的簡単に実施できる方法の一つとされています。
遮音材料には空気の含有が少なく、密度が高く重たいコンクリートや鉄板・石膏が使用され、これにより、音が外に透過するのを防ぎます。
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道路沿いの家の騒音問題と対策

道路沿いの住宅では、近くの道路の交通状況が生活に大きく影響します。国道のような大通りの場合、救急車などの緊急車両が時間に関係なく頻繁に通過するため、騒音が発生しやすくなり、トラックの通行量が多い道では、夜間でも大きなトラックの騒音が気になります。そのため、道路沿いに注文住宅を建てる場合は、騒音対策が重要です。
◇道路沿いの家は音が気になる?
騒音とは人が「騒々しい」と感じる不快な音を指し、その大きさは騒音レベルで数値化され、デシベル(dB)で表され、騒音計で計測されます。例えば、20デシベルはほとんど聞こえない静かな音、40デシベルは閑静な住宅地の昼間や図書館での音で、寝室やリビングなどで望まれるのは40デシベル以下です。
50デシベルは通常の会話や家庭用の電化製品の動作音と同じで、音の感じ方は個人差があり、環境によっても適切な音のレベルが異なりますが、一般的には室内で50デシベルを超えると「うるさい」と感じる方が多いようです。
自動車の騒音には「騒音規制法」により限度基準が設定されており、幹線道路では昼間75デシベル、夜間70デシベルが上限があり、これを超えると生活環境に悪影響があるとされています。
一方、緊急車両のサイレン音については、国の保安基準で87デシベル以上112デシベル以下と定められています。
◇道路沿いの家の騒音対策
外からの騒音対策として、家の防音性能を高めることが重要です。特に、音が侵入しやすい窓には防音サッシを設置することが効果的です。一般的にアルミ製のサッシが多い中、樹脂製の防音サッシは窓枠の微細な歪みにもフィットし、気密性を高めて騒音の侵入を阻止します。
さらに、二重サッシを設けることで、外側と内側の窓の間に生じる空気層が騒音を防ぐバリアとなり、室内の生活音も外に漏れにくくなります。また、静寂を確保するために音圧を低減する防音壁、または遮音壁を設置する方法もあります。
防音壁はアルミやグラスウールが使用されているので、比較的低コストで、屋外の過酷な環境にも耐えうる高い耐久性を持っているため、国道や線路沿いの物件にも適しています。
他にも、騒音を防ぐために壁、床、天井に張り付ける高防音効果の防音シートを使用するのもひとつの方法です。
防音シートは塩ビと金属粉を挟み込むことで音圧を軽減し、低周波から高周波まで幅広い音域で効果を発揮します。また、防音パネルはアルミ、セラミック、石膏ボードなどの素材で作られ、その正方形の形状はDIYにも適しており、取り付けが簡単です。
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注文住宅の防音性を上げるコツ

注文住宅の防音性を上げるためには、建材の選び方や設計の工夫が重要です。ここでは、防音性を上げるための効果的なコツや具体的な工夫についてご紹介します。
◇高気密・高断熱
高気密・高断熱の住宅は、外壁の気密性により外からの音を遮断し、内部の断熱材が漏れた音を吸収するため遮音性が高くなります。特に隣家が近い場合には住宅が騒音からの影響を減らし、隣家からの音の侵入を防ぎます。
さらに、高気密・高断熱住宅は熱の伝わりも抑えるため、快適な居住環境が実現できるのもメリットです。
◇鉄筋コンクリート造
防音性が高い建築構造の一例として、RC造やSRC造の鉄筋コンクリート構造があります。これらは鉄の骨組みにコンクリートを流し込むことで隙間が少なく密度が高いため、優れた防音性があるのが特徴です。
一方で、木造建築は通気性に優れた木材を使用しているため、RC造やSRC造に比べて遮音性が低いですが、カーペットの敷設や防音ゴムの使用、家具の配置による工夫を施すことで、室内の防音対策が強化できます。
◇間取りの工夫

防音対策には間取りの配慮は重要です。特に水回りのトイレや浴室などは騒音が発生しやすいため、寝室やリビングの隣、または上に配置すると、水の流れる音が気になる可能性があるためおすすめできません。
同様に、子ども部屋をリビングの上に設けると、子どもの足音や話し声が下に響くことがあります。音が発生しやすい部屋は、家族が多くの時間を過ごすリビングや寝室から離れた場所に配置し、また近隣とのトラブルを避けるために隣家に近い場所には設けないなど工夫しましょう。
◇壁

壁の防音対策としてよく使われるのが、吸音材、防音パネル、防音ボードなどのアイテムです。これらは主に「空気伝播音」の対策に効果があります。
空気伝播音とは、話し声やテレビの音など、空気を通じて伝わる音のことで、壁などの障害物があると音の大きさが軽減される性質があります。そのため、吸音・遮音効果のある防音グッズを壁に設置することで、音の漏れや侵入を抑えることができます。
一方で、「固体伝播音」は壁や床などの建材を通じて振動として伝わる音であり、この場合は壁自体の強化や構造全体の改善が必要になります。たとえば、楽器の低音や重い物を落とした時の衝撃音などがこれに該当します。
特に一戸建て住宅は木造構造が多く、防音性能が高くないケースもあります。防音性を高めるためには、あらかじめしっかりとした対策を施しておくと安心です。
また、音は性質上、全方向に広がって伝わるため、壁の一部だけでなく、できるだけ広い範囲で防音対策を行うことが効果的です。快適な住環境を保つためには、住宅全体の音の通り道を意識した総合的な防音設計が大切です。
◇床

床の防音対策には、防音シート、遮音ボード、防音マットやカーペット、畳など、さまざまな方法があります。これらは「空気伝播音」だけでなく、「固体伝播音」にも対応できるのが特徴です。
空気伝播音とは、話し声や音楽など、空気中を通って届く音のことです。一方、固体伝播音は、足音や物を落としたときの衝撃音、ドラムなどの振動が床から壁、天井へと建物全体に伝わる音を指します。
特に足音などの振動は、床を通じて壁や天井にも伝わり、家全体に響き渡ってしまいます。音は全方位に広がり、床や壁だけでなく天井にも反射して部屋中にこだまするため、壁の防音対策だけでは不十分です。
このような理由から、1階でも2階でも、床の防音対策は非常に重要です。音の反射や伝わりを抑えることで、住まい全体の静けさと快適さを保つことができます。
◇天井

天井の防音対策としては、断熱材・吸音材・遮音材の使用や、二重天井構造の導入が効果的です。
木造住宅では、天井部分に十分な遮音材が使われていないことが多く、上の階を歩く足音や物を落とした際の衝撃音が響きやすくなっています。さらに、上階の床を支える「梁(はり)」が音の伝わる通り道となり、振動が下の階まで伝わってしまうケースもあります。
その対策として、天井裏に断熱材や吸音材を多めに入れることで、上階からの音を吸収しやすくなります。また、吹き抜け構造のある住宅は音が家全体に響きやすいため、より慎重な防音設計が求められます。
より高い防音効果を求める場合は、「二重天井(ふたえてんじょう)」の採用が有効です。これは、上階の床裏(天井スラブ)から吊り金具や支持枠を使って下地枠を吊り下げ、その下に新たな天井材を設置する構造です。
天井の間に空間が生まれることで、上階からの音が直接伝わりにくくなり、必要に応じてその空間に遮音材を追加することも可能です。
ただし、二重天井を設ける場合は、下地や天井材の新設が必要となるため、材料費や施工費がかかる点にも注意が必要です。
ハウスメーカー・工務店の遮音性対策

島根で防音性と快適性を両立した住宅づくりに力を入れている有限会社石川工務店の工夫を紹介します。
◇外壁

外壁材の選び方は、防音性能に大きく関わります。モルタル外壁のように、何層にも塗り重ねて仕上げる高密度かつ厚みのある素材は、優れた遮音性を発揮します。
コンクリートや軽量気泡コンクリートなども遮音性の高い素材として知られており、外部の騒音を軽減して快適な住環境を保ちます。また、近年では外壁材自体に吸音機能を持たせた製品も登場しており、目的に応じた防音対策が可能です。
有限会社石川工務店では、遮音性を高めるための対策として、モルタル壁の左官塗りを採用しています。モルタル外壁は、素材を何層にも丁寧に塗り重ねて仕上げるため、外壁全体に厚みと密度が生まれ、外部の音をしっかりと遮る効果があります。
このような高密度な構造は、騒音の侵入を防ぎ、快適な住環境を実現するための重要なポイントとなっています。
◇窓

有限会社石川工務店では、遮音対策として全窓にトリプルガラス樹脂窓を標準採用しており、優れた断熱性能とともに高い遮音性を実現しています。
トリプルガラス樹脂窓は、2枚のガラスの間に空気層を設け、さらに特殊な金属膜を施したLow-Eガラスを組み合わせた高性能な窓です。枠に使われる樹脂サッシは、アルミサッシよりも熱を伝えにくく、断熱性に優れているのが特長です。
また、結露の発生を抑える効果もあり、室内環境を快適に保ちながら建物の耐久性向上にもつながります。
さらに、同社は大きな窓を道路側に設けない、ご近所と窓の位置を離すなど、窓の配置や向きを工夫することで音の侵入を抑えています。加えて、防音フェンスの設置など、周囲の環境に応じた最適なプランを提案しています。
同社はこのように、住宅の静けさと快適さを両立するために、細やかな設計対応を行っています。
遮音性能に関する口コミ

以前の住まいは道路に面していて、車の騒音がひどく、夜もよく眠れませんでした。石川工務店で家を建ててからは、騒音が気にならなくなり、ぐっすり眠れるようになりました。
引用元:有限会社石川工務店
有限会社石川工務店の家は防音性能が高く、外からの騒音をしっかり遮ってくれる家であることが読み取れます。これにより、道路沿いなど音の気になる場所でも快適に暮らすことができます。
また、静かな環境が整っているため、夜間も安心して眠れる快適な住まいであることがうかがえます。

ピアノを弾いたり楽器を使ったりするのが趣味ですが、石川工務店の家は防音性が高いので、近隣に気兼ねなく安心して練習できるのでありがたいです。。
引用元:有限会社石川工務店
こちらの口コミからも石川工務店の家は防音性が高く、音が外に漏れにくい構造になっていることがうかがえます。
◇断熱性

前項で解説した通り、断熱性は空気を伝って伝わる音の遮音性に大きく関係しています。
高気密な住宅は、天井・壁・床・窓・ドアといった部分の隙間が小さく、壁の厚みもしっかりと確保されているため、室内外の空気の出入りが少なくなります。これにより、空気を通じて伝わる音も漏れにくくなり、結果として住宅全体の遮音性能が向上します。
有限会社石川工務店の「つなぐ家」では、「外断熱」と「内断熱」を組み合わせたダブル断熱工法を採用し、外気の影響を受けにくい快適な住環境を実現しています。
外断熱では、外壁の外側に断熱材を施工することで外気の熱を遮り、室内の温度を安定させます。使用しているのは、高断熱性能と安全性を兼ね備えたネオマフォーム(厚さ30mm)です。一方、内断熱では壁の内部に断熱材を充填し、さらなる断熱効果を発揮します。
セルロースファイバー(厚さ105mm)を用いることで、断熱性だけでなく調湿性や防音性も高まり、年間を通じて快適な室内環境を保ちます。
また、同社が手がける家は、遮音性能を高めるだけでなく、外気温の影響を最小限に抑える高い断熱性能を備えています。断熱性能は国の断熱基準を大きく上回る「HEAT20 G3グレード」に対応しているからです。
HEAT20 G3グレードとは、優れた断熱性と省エネ性を備えた住環境の新たな指標で、特に快適性の高さが評価されています。
このグレードでは、冬場の最低室温がおおよそ15℃以上を保てることが求められ、UA値(外皮平均熱貫流率)で0.26W/㎡K以下という非常に高い断熱水準が基準となります。これは、住宅性能表示制度における最高クラス「断熱等性能等級7」と同等レベルです。
さらに、同社の「つなぐ家」は、国が定める断熱基準の中でも上位に位置する「断熱等級6」を標準仕様としています。 これは、一般的な住宅よりもはるかに優れた断熱性能を持ち、外気温の影響を最小限に抑えて、室内を一年中快適な温度に保ちます。
加えて、「つなぐ家」は家全体の断熱性能を示すUA値において、0.35以下というハイレベルな数値を実現しています。UA値とは、家の外に逃げる熱の量を示す指標で、数値が低いほど断熱性が高く、冷暖房効率も良くなります。
◇気密性
気密性の高い住宅は、開口部からの空気の出入りが少なく、隙間を極力なくすことで防音効果にも優れています。
有限会社石川工務店が手がける「つなぐ家」は、C値0.3以下を標準仕様としており、上位グレードではC値0.2以下という高水準の気密性能を誇ります。C値とは住宅全体の隙間の合計面積を示す指標で、この数値が小さいほど隙間が少なく、気密性が高いことを意味します。
たとえば、つなぐ家の隙間はすべて合わせてもハガキ約0.3枚分に満たないほどで、これは一般的な省エネ住宅と比べて20倍以上の気密性を実現している計算になります。これにより、断熱性はもちろん、防音性にも優れた快適な住環境を提供しています。
また、有限会社石川工務店の住宅は、気密性だけでなく換気性能にも強くこだわっているのが特徴です。標準仕様で熱交換率80%以上の第一種熱交換換気システムを採用しており、室内の汚れた空気を排出しつつ、外気を取り込む際に熱交換を行うことで、室温の変化を抑えながら常に新鮮な空気を供給します。
これにより、冬は外気を暖めてから室内に取り込むため暖房効率が上がり、夏は外気を冷やしてから取り込むことで冷房効率も向上します。
また、C値0.3以下という非常に高い気密性と、断熱等級6(上位グレードは等級7)の高断熱性能を実現。これにより、計画的な換気が可能となり、24時間365日きれいな空気が家中を循環します。カビやダニの発生も抑制され、アレルギーや呼吸器疾患の予防にもつながります。
防音工事の具体的コスト例と将来的な価値

注文住宅で防音対策を取り入れる際、気になるのはその初期費用です。しかし、将来の資産価値や生活の質を考えると、新築時に計画する防音工事は実は費用対効果の高い投資になります。
◇初期費用の目安
以下は、一般的な防音工事の種類別・コスト相場です(2025年時点)
窓の防音(二重窓・防音ガラス) | |
二重窓の設置 | 5〜10万円/1窓 |
防音ガラス交換 | 5〜13万円/1窓 |
壁・天井・床の防音工事 | |
壁 | 18〜25万円(1部屋) |
床材張り替え(防音対策) | 6〜23万円/部屋 |
床下遮音材設置 | 30〜80万円/部屋 |
換気口防音仕様 | 2〜5万円/1か所 |
防音室(専用ルーム)の設置 | |
組立式ユニット | 50〜250万円 |
フル仕様リフォーム | 230〜500万円(6畳で250〜300万円、場合により400〜800万円) |
たとえば、6畳の本格的な防音室を注文住宅に併設すると、坪単価100万円以上、部屋全体で250~300万円というのが相場です。さらに管楽器やドラムなど高音量を想定する場合は、用途に応じて316~630万円と高額になるケースもあります。
◇入居後に後付けする場合との比較
リフォームで後付けすると、窓だけで100万円超、壁・床・換気まで含めると数十万円〜200万円以上かかることもあります。特に防音室の後付は230〜400万円程度が相場 。一方、注文住宅段階で設計に組み込めば、工事の効率が良く、重複コストや施工時の追加手間を削減できます。
また、窓の防音だけでも一窓5万円程度から施工可能で、窓数が多い場合はまとめて行うことで割安になることもあります 。
◇コストと将来的価値
防音対策は、快適な住環境を提供するだけでなく、住宅の資産価値を高め、健康や生活の質を向上させる重要な投資です。その具体的な効果を見てみましょう。
- 市場評価の向上
交通量の多い地域や住宅密集地では、防音性能が高い住宅は売却・賃貸時に有利になります。静かな住環境は入居者に強くアピールでき、高い家賃設定や成約率につながります。 - 住環境と健康への影響
騒音ストレスの軽減や睡眠の質の向上は、長期的には健康への投資です。静かな環境はリモートワークや読書、趣味にも集中しやすく、「家での時間の質」を飛躍的に向上させます。 - 長期コストの抑制
新築時に防音設計を盛り込むことで、後付けによる工事費用の増加や生活のストレス・騒音対策の煩わしさを未然に防げます。
防音工事は決して安い投資ではありませんが、用途と目的に合わせて計画的に行えば、耐久性・快適性・将来的資産価値という観点から非常に高いリターンが期待できます。
- 軽微な対策 → 窓:5〜15万円/箇所
- 中規模対策 → 壁や床:数十万円/部屋
- 本格的対策 → 防音室:250〜600万円
注文住宅を計画する際は、設計段階から用途に合った防音仕様を組み込むことが、コストパフォーマンスと将来性を両立させる最善のアプローチでしょう。
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ライフスタイルに合わせた防音設計の重要性

注文住宅を建てる際、防音対策をどの程度行うかは、家族構成やライフスタイルによって大きく異なります。一律の設計ではなく、それぞれの家庭の暮らし方に合った防音設計を行うことで、より快適で満足度の高い住環境を実現することができます。
◇楽器演奏やホームシアターを楽しむ家庭の場合
音楽を趣味にしている方やホームシアターを楽しみたい方にとって、防音室は重要な設備です。楽器演奏では、周囲に配慮した遮音性が求められ、外部への音漏れを防ぐ設計が必要です。また、映画やゲームを大音量で楽しむ際には、室内での音の反響を抑え、クリアな音響を得られるような設計が理想的です。
このような場合、専用の防音室を設けることが推奨されます。防音室は、壁材や天井材、床材に特別な素材を使用することで、外部への音漏れを抑えるだけでなく、内部の音響環境を最適化する効果もあります。また、設置する際には窓やドアの位置、換気システムの防音性能も考慮する必要があります。
◇子育て世帯やペットがいる家庭の場合
子育て中の家庭では、子どもの足音や遊び声が問題になることがよくあります。特に、マンションや住宅密集地では、隣家への配慮が求められます。このような場合、床材にクッション性の高い防音素材を使用したり、壁の間に吸音材を挟み込むことで、音の伝わりを軽減する対策が効果的です。
ペットがいる家庭では、鳴き声や足音が気になることもあります。例えば、犬や猫が家の中を走り回る音が響かないようにするためには、床の遮音性を高めることが必要です。また、防音設計が適切に施されていれば、ペットが原因で近隣住民とのトラブルを未然に防ぐことができます。
◇将来のライフステージを見据えた防音対策
家族構成やライフスタイルは、時間とともに変化します。そのため、将来のライフステージの変化も見据えた防音対策を考えることが重要です。例えば、子どもが独立した後に趣味の部屋として使えるよう、防音室を兼用する設計にすることも一案です。
また、高齢になった際には、外部からの騒音を遮断することで静かな環境を保つことが、健康維持に役立つ場合があります。このように、柔軟性を持たせた防音設計を行うことで、長く快適に住み続けられる家を実現できます。
◇注文住宅の自由度を活かした設計
注文住宅の魅力は、家族の要望に合わせた自由な設計が可能な点です。防音対策もその一部であり、住宅全体の間取りや構造に組み込むことで、機能性と快適性を両立させることができます。専門家と相談しながら計画を進めれば、効率的で費用対効果の高い防音設計が実現します。
例えば、以下のようなポイントを考慮して設計を行います。
- 部屋の配置:騒音の発生源から離れた場所に寝室や書斎を配置する。
- 素材の選択:吸音性や遮音性の高い素材を適所に使用する。
- 換気や配管:音漏れを防ぐ工夫を行う。
家族構成やライフスタイルに合った防音設計は、住環境の快適性を大きく左右します。注文住宅の自由度を活かし、現在のニーズに対応しつつ、将来的な変化にも対応可能な設計を行うことが重要です。快適でストレスの少ない住まいづくりを目指し、専門家と共に最適な防音対策を検討してみてはいかがでしょうか。
島根県で注文住宅を建てるならおすすめ工務店3選
島根県で注文住宅を建てるなら、地域に根ざした高い技術力と豊富な実績を持つ工務店が安心です。石川工務店、豊洋、アイフルホームの3社は、断熱・耐震性能や自由設計、長期保証など多様なニーズに応え、快適な住まいづくりをサポートします。
◇有限会社石川工務店

有限会社石川工務店は、島根県出雲市に本拠を置き、40年以上にわたり新築住宅やリフォーム、増改築、店舗工事など幅広い住宅関連事業を展開する地域密着型の工務店です。
伝統的な木造在来工法(木造軸組工法)にこだわり、職人集団として高い技術力を誇ります。出雲市を中心に斐川町、松江市、米子市、雲南市、大田市、仁摩町など広範囲から依頼を受けており、土地や資金、税金など住宅に関する総合的な相談にも対応しています。
同社の家づくりは高断熱・高気密・高耐震・高遮音性能を特徴とし、断熱性能は一般的な省エネ基準の約3倍(UA値0.30W/㎡K以下、断熱等級6)、気密性は約30倍(C値0.3㎠/㎡以下)を実現。耐震等級3の住宅を全棟標準で提供し、100年腐らない緑の柱や錆びにくい金物を用いたハウスガードシステムも導入しています。
さらに、第一種熱交換換気やモルタル壁左官塗りによる遮音対策など、快適で健康的な住環境づくりに注力しています。
また、メタバース空間での建築物展示など最新技術も取り入れ、設計事務所との連携による柔軟な提案力と、住宅瑕疵担保責任保険による安心の保証体制も整えています。
会社名 | 有限会社石川工務店 |
所在地 | 〒693-0021 島根県出雲市塩冶町781-19 |
電話番号 | 0853-22-7165 |
公式ホームページ | https://daiku-is.jp/ |
豊富な実績と信頼関係を基盤に、地域に根ざした家づくりを続けるプロフェッショナル集団です。
有限会社石川工務店について詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
さらに詳しい情報は公式ホームページでも確認できます。ぜひチェックしてみてください。
◇株式会社豊洋

株式会社豊洋は、島根県松江市に本社を置く総合建設会社です。1979年(昭和54年)設立以来、地域密着型の企業として、土木事業、解体事業、一般建築事業、住宅事業、リフォーム事業、不動産事業、自動車整備事業など多岐にわたるサービスを展開しています。
特に住宅事業では、40年以上にわたる地域密着の実績と2000棟を超える施工経験を誇り、快適で健康に永く住める家づくりを目指しています。顧客の理想やライフスタイルに寄り添った提案を重視し、地盤調査や素材選定、構造の細部にまでこだわった安全・安心な住まいを提供しています。
会社名 | 株式会社豊洋 |
所在地 | 〒690-0823 島根県松江市西川津町2108-3 |
電話番号 | 0852-28-1111 |
公式ホームページ | https://www.hoyo-ltd.jp/ |
また、新築だけでなくリフォームやリノベーションにも対応し、家族構成やライフステージの変化に合わせた幅広い提案が可能です。豊洋は「街をつくり、未来をつくる」ことを使命とし、地域社会や次世代への貢献を重視した企業活動を続けています。
株式会社豊洋について詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
◇アイフルホーム 出雲店

アイフルホームは、島根県・鳥取県を中心に注文住宅や一戸建て、リフォーム、新築・建て替えを手がける住宅メーカーです。松江市、出雲市、米子市にモデルハウスを展開し、見学も随時受け付けています。
アイフルホームは「より良い家」の定義は時代やライフスタイルの変化とともに変わると考え、柔軟な発想で長く住み続けられる家づくりを提案しています。顧客の多様なニーズに応じた自由設計や、同じ坪数なら価格が変わらないプラン設定など、分かりやすく納得感のある商品展開が特徴です。
また、家計に無理のない適正価格の提案や、建物引渡しから60年間続く保証システム、20年間で8回のアフターメンテナンスなど、長期にわたる安心サポートも強みです。土地探しやローン計画の相談にも対応し、住まいづくりの悩みや希望をワンストップでサポートしています。
会社名 | アイフルホーム 出雲店 |
所在地 | 〒693-0081 島根県出雲市中野美保北2-8-10 |
電話番号 | 0853-23-8570 |
公式ホームページ | https://www.eyefulhome.com/ |
時代に合った商品と保証、そして顧客本位の家づくりを通じて、地域に根ざした信頼と実績を築いている企業です。
アイフルホーム 出雲店について詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
まとめ

注文住宅の防音対策は、家庭内の生活音や外部の騒音から住まいを守り、快適な生活環境を作るために重要です。騒音には、近隣の工事や交通の音など外部からのものと、家電や生活音など内部からのものがあり、これらがストレスや近隣トラブルの原因となることもあります。
防音対策には、音を吸収する「吸音」と、音の侵入や漏れを防ぐ「遮音」の2つが含まれます。特に道路沿いの住宅では、防音サッシや防音壁などの工夫が有効です。注文住宅の防音性を高めるためには、高気密・高断熱の建材の選択や鉄筋コンクリート造の採用、間取りの工夫が必要です。
例えば、騒音が発生しやすい水回りや子ども部屋をリビングや寝室から離して配置することで、室内の防音効果を高めることが可能です。
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