大工に直接依頼して経済的・地元資源を活かす注文住宅づくり
2024.01.31山陰地方の住宅は高い基礎と防水対策が特徴で、寒冷な気候や大雪に対応します。大工に直接依頼すると経済的ですが、大工選びに慎重さが必要で、地元の木材を活用し、アフターサービスや水道・電気工事の管理も確認が必要です。
山陰ならではの島根の住宅特徴
山陰地方は日本海に面しており、寒冷で雪の多い気候特性が影響しているため、高い基礎を設けて雪対策や湿気対策を行っています。また、防水対策を施すことや、石州瓦を使用することで快適で安全な住環境を実現しています。
◇基礎を高くする山陰の家
通常、建物の基礎の高さは約45cm程度ですが、山陰地方の多くの注文住宅では、高さを約60cmに設定しています。これは、山陰地方が日本海に面しており、日本海側の気候特性が影響して、冬には内陸や山間部で寒冷で大雪などの災害が発生しやすいためです。
高い基礎を設けることで、軽い雪の場合は雪かきが不要になり、豪雪時でも窓まで雪が積もることが少なくなり、窓の損傷を防ぎます。さらに、高い基礎は地面からの湿気を遮断し、雨による木造部分や外壁の損傷を予防する助けにもなります。また、建物と地面の隙間があることで、住宅のメンテナンスが容易になる利点もあります。
◇防水対策を北西の壁に施す
山陰地方は冬になると、北西からの風が日本海から多くの水蒸気を運び、山陰や山陽北部では雪がよく降ります。そのため、建物の配置によって、北西側の外壁が目立たない場合、モルタルを厚く塗り、その上に外装材用のトップコートを施して雪や雨に備えることがあります。これにより、しっかりと防水対策が施された家は、長期間安心して住むことができます。
◇石州瓦がおすすめ
「石州瓦」は日本三大瓦の一つで、島根県の石見地方で作られています。この瓦は高温で焼かれるため非常に強靭で、寒冷地域や雪の多い日本海側で特に役立つ「防災瓦」として知られています。
また、優れた遮音性を持つため雨音を室内に響かせにくく、結露や雨漏りのリスクを低減します。
さらに石州瓦は太陽熱の侵入を抑制し、夏でも2階の室温が2~5℃低くなるため、快適な室内環境を維持する理想的な瓦です。
大工に依頼すると安くなる?メリットを解説
大工と直接契約すると、中間コストが不要で経済的です。また、地元の木材を使用すると地域に合った環境に優しい住宅ができます。大工は木工の専門家でもあり、オーダーメイドの家具も製作可能です。
◇施工費を抑えられて経済的に安心
通常、大手ハウスメーカーと契約する場合、工事の進行は大手ハウスメーカーから工務店へ、そして大工へと下請けに順次委託されます。
それぞれに利益を確保する必要があるため、価格が上昇します。しかし、大工と直接契約すると中間マージンが不要なため、コストを節約できます。
また、大工は宣伝や営業にあまり費用をかけず、建築案件数が少ないため材料費が多少高くなることもありますが、総合的にはコストが低減され、結果的にリーズナブルな価格で注文住宅を建設できます。
◇地元の木材を生かした家づくりが得意
木造建築において、良質な木材の選定が重要です。異なる地域にはそれぞれ独自の風土や文化があり、その土地で採れた木材を使用すると長く安心して暮らせる住宅になるでしょう。島根県では地元産の木材を使用することで、地域の特性に合った家を建てることができ、地産地消の理念を実践できる魅力があります。
地元の木材は、その土地の気候や湿度、地形に適応した性質を持っており、地元の木材を使用することで環境にやさしい住宅を建設できます。
また、新築の注文住宅では家族が気に入る家具を選ぶことが楽しみの一つですが、既製品では理想の家具が見つからないことがあります。
大工は木工の専門家であり、地元の木材を使用したオーダーメイドの家具を製作することもできるため、その利点も考慮すべきです。
大工に注文住宅を依頼する際の注意点
家づくりのパートナーである、大工選びは重要です。
失敗しないためにも、依頼する際の注意点を知っておきましょう。
◇腕のいい大工を見分ける必要がある
注文住宅を満足のいくものにするには、熟練の大工が欠かせません。しかし、近年、そのような大工が減少しています。これは、建築方法が「在来工法」から「プレカット工法」へ変わったことが原因です。
現代の建築では大工の技術が必要なく、簡単に家を建てることができます。プレカット工法には利点がありますが、長期的には優れた大工が育ちにくいデメリットもあります。
◇アフターサービスがいつまで受けられるか不透明
アフターサービスの補償内容や期間は、依頼する業者によって異なります。大工に依頼した場合、将来的に家のメンテナンスが必要になった際、大工さんや工務店が対応できないリスクがあることに注意が必要です。
特に後継者の問題で廃業した場合、対処が難しくなるかもしれません。
◇水道や電気は別の業者に依頼する必要がある
個人の大工に新築工事を頼む場合、水道工事や電気配線などは通常、専門業者が担当します。この際、大工が信頼できる専門業者に依頼することもあれば、施工主自身が適切な業者を見つけて依頼することもあります。
大抵の場合、大工が専門業者に依頼しますが、それ以外の場合は施工主が業者選定を行う必要があるため、確認が必要です。
山陰地方の住宅は高い基礎を持つことが一般的です。これは、日本海側の寒冷な気候と大雪の影響に対処するためで、雪対策や湿気対策に役立ちます。高い基礎は雪の積もりを減少させ、窓の損傷を防ぎ、湿気を遮断します。
また、北西からの風や雨に対する防水対策も施されます。北西側の壁にモルタルを厚く塗り、トップコートを施すことで雪や雨から守られ、住環境が維持されます。
さらに、島根で推奨されるのが「石州瓦」の使用です。石州瓦は寒冷地域において防災瓦として知られ、遮音性に優れ、太陽熱の侵入を抑制し、快適な室内環境を提供します。
大工に直接依頼することで経済的な利点も得られます。中間コストがないためコストを節約し、地元の木材を使用することで環境にやさしい住宅が実現します。大工は木工の専門家であり、オーダーメイドの家具も製作できます。
ただし、大工選びには注意が必要です。熟練の大工を見極めることが重要であり、アフターサービスや水道・電気工事の管理も確認する必要があります。
島根での注文住宅は、地域の特性に合わせた設計と、地元の資源を活かした建材の選定により、快適で持続可能な住宅を実現します。大工に依頼する際には、慎重に選び、確実な計画を立てることが重要です。