施工事例から見るバリアフリー注文住宅~スウェーデンハウスの工夫
公開:2024.04.22 更新:2024.07.09長寿社会において、老後の住まいには適応性、快適性、安全性が求められます。高気密・高断熱な住宅はエネルギー節約と快適な室内環境を提供し、バリアフリー設計は高齢者や障がい者の利便性を考慮します。スウェーデンハウスは3層ガラス窓と高い断熱性能で快適性を確保し、バリアフリー設計と安全性を兼ね備えています。
目次
長くなる老後の住まいに必要なものとは?
日本では平均寿命の延長により、老後の期間が長くなっており、「終の棲家」の意味も変化しています。アクティブシニア期では住まいの適応性を高める必要があり、ギャップシニア期では身体的リスクを軽減し快適な生活を送るための対策が重要です。要介護期では介護や居住環境に対するリフォームが必要とされます。
◇長くなる老後
日本人の平均寿命は、男性が81.25歳、女性が87.32歳であり、これは年々伸び続けています。2018年の厚生労働省の簡易生命表によると、男女ともに80歳を超えており、医療の進化などによりこれからも寿命が延びることが予想されています。このような背景から、「人生100年時代」の到来が現実のものとなっています。
「終の棲家」とは、もともと老後から人生の最期までを過ごす家という意味ですが、現在の社会では老後を過ごす時間がますます長くなっており、その意味も変化してきています。
◇3つのシニア期と住まい
アクティブシニア期には、健康で仕事を持ち、安定した収入があります。現在の住まいには特に急を要する問題はありませんが、将来の変化に備えて住まいの適応性を高めることが重要です。
定年退職や子どもの独立などのライフイベントに備え、定期的なチェックと必要に応じた修繕やリフォームが望ましいです。
次の段階としては、ギャップシニア期があります。この期間には、体力や気力の衰えが感じられるかもしれませんが、まだ介護の必要はありません。収入は主に年金に頼ることになり、住環境を整えることが重要です。
バリアフリー化や断熱化などの対策を通じて、身体的なリスクを軽減し、日常生活をより快適に過ごすことが目指されます。また、外出や買い物の負担を軽減するため、交通の便の良い場所への移住も検討されます。
最後の段階は、要介護期です。この段階では、介護が必要です。自宅での介護を想定する場合は、トイレや浴室、キッチンなどのリフォームが必要です。また、介護サービス付きの施設への移住も検討されます。身体的な制約に対応しつつ、島根で快適な生活を維持するための環境整備が求められます。
バリアフリー住宅を実現する方法とは?
浴室では、滑りにくい素材の床やバスタブを選び、手すりを設置して安定感を確保しましょう。段差をなくし、バリアフリーな環境を整え、冬季はヒートショックに注意して浴室暖房を利用しましょう。
トイレは使いやすく配置し、洋式トイレや手すりの設置を検討します。洗面台は車いすの方が利用しやすい高さで設置し、アクセスしやすく整えます。リビングでは段差のないフラットな床を確保し、車いすに適した高さのテーブルを選び、安全で快適な生活空間を提供します。
◇浴室
浴室は、転倒のリスクが高い場所です。そのため、滑りにくい素材の床やバスタブを選び、安定感を確保するために手すりを設置しましょう。また、段差をなくしてバリアフリーな環境を整えることも大切です。さらに、冬季は温度差によるヒートショックに注意が必要です。浴室暖房を利用することで、温度差を緩和し、安全を確保できます。
◇トイレ
トイレは、使いやすさが重要です。寝室のそばに配置し、洋式トイレを採用することで、利便性を高めましょう。手すりの設置も忘れずに行い、車いすでの利用にも配慮します。場所が限られている場合は、寝室から直接入れるよう配置し、2つのドアを設けることで、利用しやすい環境を整えます。
◇洗面台
洗面台は、車いすでも利用しやすい高さで設置することが重要です。洗面台下部の収納スペースを取り払い、アクセスしやすくすることもポイントです。また、立つことが難しい場合に備えて、ベンチやイスを設置しておくと安心です。
◇リビング
リビングでは、段差のないフラットな床を確保することが重要です。車いすを使用する方に適した高さのテーブルを選び、柔軟な対応を可能にします。これにより、転倒などの事故を防ぎ、快適な生活空間を提供できます。
100年住めるスウェーデンハウスの注文住宅
スウェーデンハウスは3層ガラス窓を採用しており、寒さや騒音を遮断し、快適性を提供しています。高気密・高断熱の壁と床は隙間をなくし、高い断熱性を実現し、バリアフリー設計は広々としたモジュールで、安全性も配慮しています。窓にはチャイルドロックや換気用ストッパーを装備し、階段も安全基準を満たしています。
◇3層ガラス
スウェーデンハウスの3層ガラスは、従来の2層ガラスよりも優れた性能を提供しています。この窓は、真冬の寒さから室内を守り、2つの中空層が断熱性能を高めます。厚み4mmのガラスと12mmのアルゴンガスを使用することで、外部からの熱や寒さを効果的に遮断し、室内の快適な温度を保ちます。
さらに、この3層ガラスは優れた防音性能を持ち、32dBもの音を減衰させます。そのため、賑やかなホームパーティーの音や外部の騒音を静かに抑え、住宅の静寂を維持します。そして、高い耐風圧性能も備えており、激しい暴風雨や台風などの気象条件にも耐えられる設計です。
◇高気密・高断熱
スウェーデンハウスの壁や床の接合部には、継目断熱材を挟み込み、防湿気密フィルムで覆うことで隙間をなくし、気密性能を高めています。また、外壁パネルには充填される120㎜厚のグラスウールは、たるみや隙間がないようにスウェーデンの現地工場で丁寧に施工され、密度24㎏/m3の高密度で自立する性質を持ちます。
さらに、床には密度16㎏/m3のグラスウールを200㎜厚で二重に敷き詰め、断熱性能を向上させています。
小屋裏にはブローイング工法を用いて、マット状のグラスウールを効果的に吹き込んでいます。この工法により、断熱材を均一に配置し、隅々まで効果的に断熱性能を確保しています。
◇バリアフリー
スウェーデンハウスは、高齢者や障がい者などあらゆる人々のために、バリアフリーな住環境を提供することに注力しています。その取り組みは、広いモジュールの採用から始まります。
一般的な日本の住宅では標準とされる910mmに対し、スウェーデンハウスでは1,200mmのモジュールが採用されています。これにより、廊下や階段、部屋などには余裕があり、荷物の運搬や車椅子の利用などが容易になります。
安全性も重視されています。窓は木製サッシで、3層ガラスを使用しています。さらに、チャイルドロック機構が付いており、子供の不用意な窓の開閉を防止します。また、窓を少しだけ開けた状態でも安全に固定される換気用ストッパーが備わっており、転落事故を未然に防ぎます。
階段の設計も安全基準が厳格に設定されています。勾配が緩やかで、有効幅が920mm、蹴上げが195mm以下、踏面が210mm以上という基準を満たしています。さらに、手すりには握りやすいグリップ溝が付いており、安全性が向上しています。
段差のないスウェーデンハウスの建築事例
Oさんご家族は高齢の父と同居するスウェーデンハウスで、1階にはLDKと父の居室、2階にはご夫婦の居室とファミリールームがあり、介護設備が整っています。築21年で断熱性能が維持され、涼しい風が心地よく感じられます。一方、I様ご夫妻のスウェーデンハウスは、外観がお洒落なカフェのようで、内装はパイン無垢材のフローリングや北欧風の設備が特徴です。家具や設備はスウェーデンハウスのデザインに合わせて選ばれています。
◇高齢の父と同居する段差のない家
築21年のスウェーデンハウスを持つOさんご家族は、スムーズな回遊動線と高い断熱性能によって実現された快適な暮らしを楽しんでいます。この二世帯住宅では、1階にLDKとお父様の居室、2階にはご夫婦の居室とファミリールームが配置され、廊下をなくした設計が採用されています。
特に、高齢のお父様のために介護設備が充実しており、車椅子でも安心して移動できるような設計になっています。築21年を経ても、高い断熱性能が維持されており、夏でも涼しい風が心地よく感じられるとのことです。
Oさんご家族がこのスウェーデンハウスを選んだ決め手は、断熱性能と企業の安定性でした。当時、暖かい家を求めていた彼らは、スウェーデンハウスの高い断熱性能に惹かれ、また、企業の安定性や品質管理の信頼性も重視しました。
リビングとダイニングは仕切られず、広々とした空間が広がっています。明るい洋室や効率的なキッチン設計など、家具や設備も木質感あふれるスウェーデンハウスのデザインに合わせて選ばれています。
周辺環境や家族構成の変化にも対応できる柔軟な設計と、地域環境や土地の特性を生かした配慮がなされており、家族全体が長く満足して暮らしているようです。
◇パイン無垢材のナチュラルな家
I様ご夫妻が選んだスウェーデンハウスの注文住宅は、交通量の多い角地に位置し、その外観はまるでお洒落なカフェのようです。特に目を引くのは、インパクトのある三連窓と可愛らしいオーニングです
家の内装もこだわりが詰まっています。リビングに足を踏み入れると、ご主人様のこだわりで選ばれたパイン無垢材のフローリングと、奥様が愛するハンモックが目に飛び込んできます。インテリアのアイテムは季節ごとに変える楽しみもあり、スウェーデンハウスに住み始めてからの新しい趣味となっています。
キッチンや洗面台など、家のあらゆる部分にスウェーデンハウスのオリジナル設備が取り入れられています。北欧風のデザインと機能性が融合しています。
長寿社会の到来に伴い、老後の住まいに求められる要素が多岐にわたることが明らかになっています。高い断熱性や気密性を持つ住宅は、エネルギー消費の削減と快適な室内環境の確保に貢献します。また、バリアフリー設計は高齢者や身体障がい者にとって利便性が高く、安全性も向上します。このような住環境の整備は、老後の生活の質を向上させる上で重要です。
スウェーデンハウスは、その優れた性能と設計によって、高い快適性と安全性を実現しています。3層ガラス窓や高い断熱性能は、外部の気温や騒音から室内を守り、居住者に快適な環境を提供します。さらに、バリアフリー設計は、障がいのある人々や高齢者が自由に移動し、安心して生活することができるように配慮されています。
実際の建築事例からも、スウェーデンハウスの優れた特性が浮き彫りになります。バリアフリーな住環境や快適な室内空間は、家族構成やライフスタイルの変化に柔軟に対応し、長期間にわたって満足度を高める要因となっています。これらの取り組みは、老後の住まいにおいて重要な役割を果たし、高齢者や障がい者の生活を支えるとともに、家族全体の幸福感を向上させます。